2013年10月2日水曜日

第4回全日本曲技飛行競技会

第4回全日本曲技飛行競技会(http://acroclub.com/jnac/
例年に引き続き、審判として参加しました。素晴らしい大会でした。
全国的に練習環境が整い始めたことを反映するかのように、選手全体の技量レベルが上がっていました。曲技飛行は練習さえすれば上手くなる・・・現実は単純明快です。
審判をやっていると、ついつい選手に感情移入してしまいます。クソッ回りすぎた・・・畜生!ラインがズレてる・・・。もちろん、誰が飛んでいるのかはわからない状態でみているのですが(一部の選手は機体でわかってしまうが・・・)、そんなことは関係なく、個別のパイロットや飛行機を超越した存在の意志のようなものを反映する感情の波に飲まれてしまいます。そんな感情を尻目に、点数は無情にも自動的に減算されていきます。最終的に現れた低い点数を見ると、やはり悲しくなってしまいます。上手く飛びたい、上手く飛んで欲しい、これは、飛行機、ジャッジ、選手達をすべてひっくるめた「飛行」そのものの願いなのかもしれません。
特に感動したフライトがいくつかありました。
一つはFA200の芸術的な飛行。この大会で使用されたFA200には背面システムがついておらず、マイナスGがかかるとオイルを吹いてしまうというディスアドバンテージの中飛んでいると聞いています。マイナスGを使えないとなると、キューバン8はおろか、ロール等の初歩的な課目ですら綺麗に見せることは不可能と思えるほどに困難になってくることは想像に難くありません。実際、ほとんどの選手のロールは悲惨だし、キューバンもほぼ課目として成立していないレベルでした。しかし、ある選手のフライトでは、それが驚くほどに見事に処理され、形になっている・・・!最小限かつ最大の効果を発揮するピッチアップでロールでのディセンドを抑え、不可思議とも思えるGコントロールでキューバンのループやラインを創り出す・・・不可能なはずなのに。驚きの飛行でした。職人芸・・・芸術・・・あの飛行を現す言葉はどこにあるのでしょうか。
もう一つは、デカスロンでインターミディエイトを飛んだ方のフライト。背面システムこそ備えてはいるが、パワーもロールレイトも圧倒的に劣る機体。スナップをやれば壊れるかもしれない軟弱な機体。にもかかわらず、美しいフィギュアの数々。ピッツやエクストラがどんなに華麗に飛ぼうが、私の中での優勝者はデカスロンで飛んだ方でした。飛行機が、生きていました。

飛行機が求める飛行を行なうこと。クラゲが水の表現であるように、重力と空気の表現である飛行機の本来を生きること。曲技飛行とは、そういったことであるように思います。

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